口演 2-1

高齢がん患者の意思決定支援‐アドバンスケアプランニングを意識した関わり‐

五十嵐 千代子,荒川 浩 (桐生厚生総合病院)

【目的】がん患者は,がん告知後,治療・療養から終末期まで,自身の価値観に沿った治療過程やゴールが得られるよう意思決定することが重要である.それらを支援する過程としてアドバンスケアプランニング(以下ACPとする)は必須である.今回,がん告知から終末期を迎える過程の様々な場面で患者の意思決定支援を行い,患者の望む生活・最期が迎えられた事例について報告する.
【倫理的配慮】患者・家族に文書と口頭で説明,承諾を得た.
【事例紹介】70歳代男性,膵臓がんと診断され化学療法を提案されるが,治療は受けず告知から4カ月で看取りとなる.
【結果】患者は体調不良で入院,症状改善後,がんの告知を外来で受けた.患者は,告知時に大きな衝撃を受けながらも治療や今後の生活について考えていた.看護師はがん告知,治療の選択,療養の場の選択,外来や入院中の関わりなど様々な場面で患者と面談を繰り返し,患者の意思を確認した.患者の希望は,積極的治療を受けず症状緩和を行いながら,身辺整理をするため在宅療養を続けることだった.そして告知4カ月後,食欲不振や体動困難で入院,看取りとなった.
【考察】早期から症状緩和を開始したことで身体的苦痛が少なく在宅療養が継続,身辺整理が出来たと考える.患者と話し合いを繰り返し行った結果,患者の望む生活や最期を迎えることができた.


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