示説 7

緩和ケア病棟における終末期がん患者に対する鎮静の施行状況についての後方視的カルテ調査

小池 瞬,津金沢 理恵子 (公立富岡総合病院)



【目的】A病院の緩和ケア病棟における終末期がん患者に対する鎮静の施行状況を明らかにするため,診療録より後方視的カルテ調査を行う.
【研究方法】研究対象者:A病院の緩和ケア病棟で2018年4月1日から2018年6月30日の間に死亡が確認されたがん患者56名.データ収集・分析方法:診療録をもとに後方視的にカルテ調査する.調査項目の記述統計,度数分布を求める.倫理的配慮:研究施設の倫理審査による承認を得た.
【結果】年齢は75歳以上の後期高齢者が38名(68%)で最も多く,性別は男性が35名(63%)であった.原発部位は肺がん11名(20%),大腸がん10名(18%)など,がん種はさまざまであった.鎮静を行った患者は5名(9%)で,全員がオピオイドを使用していた.ダイアップ?坐剤による浅い間欠的鎮静は4名,残り1名は疼痛により坐剤挿入が困難なため,ミタゾラム?よる浅い持続的鎮静に変更となった.鎮静期間は,1日が3名,11日と17日が各1名であった.鎮静期間が1日の患者はダイアップ?使用後30分以内に入眠し,以後は傾眠で鎮静不要となった.
【考察・結論】苦痛緩和のための鎮静に関するガイドラインにおいて,鎮静に用いられる薬剤としてミタゾラム?を推奨している.しかし,A病院においては,第一選択薬としてダイアップ?坐剤を使用している.引き続き調査を行い,適切な鎮静が実施されているか,現在の方法で十分に効果があるのかを検証する必要がある.


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