示説 3

外来処置室における症状緩和につながる処置の実施状況について

木村 香,中濱 裕美,荻原 弘子,細井 佳織,松本 則子 (群馬県立がんセンター)



【目的】外来処置室では,検査や薬剤注射の他,症状緩和につながる腹腔穿刺・胸腔穿刺・輸血・補液などの処置も行っており,その現状を明らかにする.
【方法】2018年7月から12月に外来処置室を利用した患者を対象に,診療科,年齢,処置内容,その時点での治療方針などを電子カルテから遡及的に調査をし,データを単純集計した.倫理的配慮として,院内倫理規定に基づき個人が特定されないようにした.
【結果】外来処置室利用患者は延べ2840人.このうち,腹腔穿刺80人,胸腔穿刺47人,輸血411人,補液117人で,全体の約23%だった.腹腔穿刺の実数は25人で平均66.2歳.婦人科48%,消化器内科44%.化学療法中や積極的治療を検討中(以下,積極的治療)68%,ベストサポーティブケア(以下BSC)20%,途中BSCへ移行12%.胸腔穿刺の実数は30人で平均71.5歳.呼吸器内科57%,婦人科17%,乳腺科17%.積極的治療60%,BSC40%.輸血では,平均71歳.血液内科58%,泌尿器科11%,消化器内科9%.血液内科を除いた科では積極的治療84%だった.
【考察・結論】症状緩和につながる処置を受けた患者は,外来処置室利用者の約23%で,その大半が化学療法中や積極的治療を検討中の患者だった.薬物による支持療法のほか,処置で症状緩和ができれば,進行期のがん患者も通院治療を継続できる.


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