示説 1

ストーマ造設をした患者のセルフケア獲得に向けた支援

角田 里沙,梅澤 美里 (沼田病院)


【目的】ストーマを造設した患者・家族の受容の過程に焦点を当て,セルフケア獲得のために実施した看護介入を振り返る.
【研究方法】ストーマ造設患者が行っているセルフケアの状況を明らかにするため,オレムの理論に基づき考察した.所属施設の倫理審査委員会で承認を得た.
【事例紹介】A氏,60歳代,男性,S状結腸がん・ストーマ造設術施行.
【結果】ストーマケアに対する思いを傾聴し,患者家族共にストーマ管理ができるよう支援した.術後1週間は,ストーマに対し否定的な態度等が見られたため,セルフケア指導を行うにあたり,パウチ交換の手技よりもA氏やその家族の不安や思いを傾聴し,ストーマが受容できるよう,心理的部分を優先して支援を行うようチームで方針を統一した.ライフスタイルを踏まえた家族への技術指導,退院支援を行い手術後1ヶ月後には,セルフケアを確立し自宅退院することが出来た.
【考察・結論】ストーマに対して否定的な態度であったA氏に対し,セルフケアを補うと共に心理的な支持を優先的に行うことで,A氏の自ら考える能力を引き出し,セルフケア獲得を促すことに繋がった.患者の受容段階や患者の個別性に着目し,身体的,心理的問題に対するニーズに応じられるよう今後の看護に活かしていきたい.


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