口頭2-1

外来看護師が抱える患者の意思決定支援上の倫理的ジレンマ〜外来看護師の取り組み〜
〇小倉 秀代、廣河原 陽子、小林 美幸、樫澤 鈴子
群馬大学医学部附属病院



【目的】泌尿器科外来看護師は、目の前の業務に追われ、意思決定支援が必要な患者を見逃している現状にジレンマを感じていた。そこで、外来看護師の倫理的感性の向上を目指した取り組みを行ったため報告する。
【研究方法】泌尿器科外来看護師(病棟からの出向も含む)4名、外来副看護師長1名、がん看護専門看護師1名で1回/週のカンファレンスを実施した。時間は、患者予約が少ない曜日の業務時間内30〜1時間程度で、定期開催とした。内容は、外来看護師が意思決定場面において"気になる"と感じた患者についての情報共有を目的とした事例検討とした。カンファレンスを行った後の各自の意思決定支援への変化について聴取した。発表に際し、対象患者および看護師の許可を得た。
【結果】カンファレンスを通して、手術療法を迷う患者の意思決定支援に泌尿器科外来看護師がチームとして関わることができた。全員が、家族の支援状況などの意思決定支援に必要な情報を聴取する重要性を話した。看護師Aは、今までは目の前の業務をこなすだけだったが、カンファレンスで他看護師より意見をもらった上で患者と関わることによって、業務に充実感を抱くようになったと話した。また、知らなかった意思決定支援についてより詳しく知ることができ、支援が必要な患者に気付けるようになったと話した。
【考察・結論】定期カンファレンスによって、外来看護師の潜在的な倫理的感性を引き出すことができた。今後も定期カンファレンスを継続し、外来での意思決定支援の充実を図っていきたい。


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