示説 7
チームで取り組む重度褥瘡ケア〜緩和ケア病棟と褥瘡ケアチームの多職種協働連携を経て〜

○安生 未央、八塩 知美、本多 昌子、真藤 由美子、笛田 宏子
渋川医療センター

【目的】がん終末期にある患者は病状の進行に伴い褥瘡発生のリスクが高く、治癒困難であることが多い。ケアに携わるスタッフの中には終末期症状緩和との狭間で困難感を抱く者も少なくない。今回、重度の褥瘡をもち入院した患者に対し、病棟スタッフと褥瘡ケアチームが連携を図りケアに取り組んだ結果、治癒した症例があった。その連携を振り返り、どのような取り組みがケアの促進に繋がったのかを検証した。
【研究方法】ケアに携わった看護師12名と褥瘡チーム(医師、薬剤師、管理栄養士、皮膚排泄認定看護師)に対し、当該患者のケアにあたりどのような取り組みがケアに影響を及ぼしたのかをアンケートし分析した。本研究は当院倫理審査委員会で承認を得ている。
【結果】多職種それぞれが自分の対応に対し、褥瘡ケアに有効であるか不安を抱いていたことが分かった。定期的なカンファレンスを開催することで、それぞれの立場で生じている不安や悩み、考えを共有する機会となり、@多角的視点からの患者の情報共有、A目標の統一、B実践可能なケア方法の抽出に繋がった。
【考察・結論】ケア方法の検討だけでなく、それに対する多職種間での思いや考えの共有を図ったことで相互理解に繋がり、患者の負担軽減や現状での実践しうる具体的ケア方法を見出すことができたと考える。また、カンファレンスを重ねることで、相談しやすい環境作りに繋がり、困難感の軽減が図れたことが示唆された。


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