示説 5
進行性乳がん患者のQOLを検討した継続看護

〇星野 陽子
沼田病院


【目的】露出腫瘍を呈する進行性乳がん患者に対し、患者の意向に配慮した処置方法の確立に向けて多職種と協働して支援を行った。
【研究方法】事例研究。対象者の家族に自施設の倫理規定に基づいて研究の説明し、同意書及び同意撤回書に署名を得た。
【事例紹介】A氏は40歳代で、左進行性乳がん(病期V)で化学療法を行っていた。
【結果】@〜Eの援助を実施した。@患者自身が行ってきた処置方法の確認し、患者・主治医・看護師・褥瘡チームとで処置方法を検討した。A患者の希望を取り入れ、女性看護師のみで1日3回の処置を実施した。B他チームの女性看護師の協力を得るために病棟スタッフ全体への状態説明と詳細な処置方法を周知した。C退院に向けての試験外泊を促し、患者と共に問題点を抽出した。D抽出された問題点を患者、主治医、看護師と、褥瘡チーム、緩和ケアチームで検討した。E外来へケアを引き継ぎ、退院後は外来看護師と共にケアを実施、身体面・精神面での援助を実施した。
【考察・結論】腫瘍の進行速度を考慮し、「できるだけ自宅にいたい」という本人の意思を尊重するため、患者と多職種と協働したことで早期に確立し退院することができた。患者と共に処置方法を選択し、患者が1人で処置が行えたことはセルフケアの獲得と自己効力感を得ることにつながった。患者の生活背景を知り、患者と共に現実的なケアの選択ができるような支援が必要だと学んだ。


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