示説 4
髄芽腫患児に対する効果的な看護援助の検討

〇松井 さおり、富澤 美由紀、登丸 真由美
群馬大学医学部附属病院

【目的】髄芽腫摘出術後に小脳性無言症を発症した患児に対するセルフケアを促す看護を振り返り、効果的な援助方法を明らかにする。
【研究方法】診療記録より患者・家族の言動や提供したケアを抽出し、オレムのセルフケア理論を用いて事例を分析する。厚生労働省の倫理的方針に基づいて作成された症例報告書を用いて説明を行い、同意を得た。
【事例紹介】A氏は、我慢強く、負けず嫌いの小学校低学年の女児であり、キーパーソンは母であった。20XX年より嘔吐頻度が増加し頭痛・ふらつきがあり、髄芽腫の診断にて手術を施行した。術後、小脳性無言症が出現した。
【結果】術直後は、意識レベルの低下や小脳性無言症の症状が出現した。全身管理目的に全代償的看護システムを用いて援助を行った。術後30日目頃は、発語はないものの、コニュニケーションに対する意欲がみられた。コミュニケーション能力獲得に向け、文字盤を使用し一部代償的看護システムを用いて援助を行った。術後50日目頃には会話が可能となり、学習意欲も見られたが、劣等感が強かった。正常な発達を再獲得するため、支持・教育的看護システムを用いて援助を行った。
【考察・結論】患児の状態をアセスメントし、適した援助システムを使用し介入することが効果的な援助に繋がることが明らかになった。また、患児の性格を理解し、信頼関係を築くことでより効果的な援助が実施できた。


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