示説 3
妊孕性の希望を支える〜アギュララの危機理論を用いての看護介入〜

○角田 詩織、岩崎 綾乃、小和田 美由紀、佐藤 和彦
渋川医療センター


【目的】がん告知とがん治療の妊孕性への影響について衝撃を受けた若年成人期患者の危機的状況をキャッチし、チーム医療で支えた事例を紹介する。
【研究方法】アギュララ危機理論を用いた事例検討を行う。倫理的配慮として、当院の倫理審査委員会から承認を得た。
【事例紹介】患者は20歳代の女性で、縦隔原発悪性リンパ腫ステージWAであり、治療はDA-EPOCH-R6コース行った。がん告知を受け治療を1コース終えるころには治療のイメージがつき笑顔も見られるようになっていた。2コース目、深夜泣いている場面を機に、妊孕性について介入、チーム支援が行われた。
【結果】患者は、生きる希望の一つである"子供を産み育てること"にがん治療が影響することを危惧したことで不均衡状態となり、危機的状況を呈していた。3つのバランス保持要因の支援が必要と考え、看護介入を行った。結果、バランス保持要因を保ち、危機を回避することができた。
【考察・結論】今回、患者が妊孕性の支援を求めた時にタイムリーな情報提供により、患者は意思決定し卵子凍結保存を行えた。アギュララの危機理論を用いることで、情報の整理、アセスメント、看護介入の視点が明確になった。危機的状況に陥る患者・家族を看護やチーム医療で支え、人が困難を乗り越えられる力を信じて、看護することの重要性を学ぶことができた。


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