示説 1
ナースコールが頻回で看護師がジレンマを抱く 患者への村田理論を用いた看護支援

〇牧内 美和1)、角田 明美2)、中嶌 広美2)、京田 亜由美3)、神田 清子3)
1)群馬大学大学院保健学研究科博士前期課程
2)群馬大学医学部附属病院
3)群馬大学大学院保健学研究科


【目的】理論を用いて看護介入し、日頃の看護ケアがA氏を支えるケアであるというA氏と看護師両者の認識の向上により関係性を強化する支援を行ったので報告する。
【研究方法】村田理論を用いて事例検討する。倫理的配慮として、A氏に介入および発表に対して承諾を得た。
【事例紹介】A氏(70歳代男性)は、がん治療が困難と説明され、生の有限性を意識し強い孤独感を訴えスピリチュアルペインを抱いている状態であった。せん妄の影響で夜間になると訴えが増強し、1日に60回以上ナースコールがあるため、看護師はA氏との関わりにジレンマを感じていた。
【結果】A氏は死に直面し他者との関係性が断絶されることで関係存在が脅かされていた。また、ADL低下や治療困難という状況から、自律存在と時間存在も脅かされていた。 そのため、看護師との関係性を強化する目的で、日常のケアがA氏への支援であることを意図的に伝えるための介入を行った。その結果、看護師から支えられているという実感が向上した。また、看護チームはA氏のスピリチュアルペインを理解し、日常のケアを意味づけすることによって関係性を強化するために意図的に関わることができた。
【考察・結論】村田理論を用いて介入を行ったことで各次元でのアセスメントにより問題を焦点化し、ケアの方向性や優先順位が明らかとなり、 効果的なスピリチュアルケアを行うことが出来たと考える。


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