一般演題 5
緩和ケア病棟に入院する患者の家族の心情の把握

○松井淳子、塚越美和、田代千枝子、神宮彩子
群馬県済生会前橋病院緩和ケア病棟


【はじめに】
 終末期がん患者には様々な症状が出現し、家族にも身体疲労や精神的負担があると考えられる。終末期がん患者にとって家族は闘病生活を支えてくれる存在であり、家族が精神的に不安定であると患者の気持ちにも影響しやすい。
 本研究では、終末期がん患者の家族が緩和ケア病棟へ入院する際の心情を調査し明らかにすることで、質の高い家族看護への示唆を得ることを目的とする。
【方法】
1.対象:平成2X年11月〜12月の間に緩和ケア病棟に入院した患者の家族
2.データ収集方法:質問紙調査
3.倫理的配慮:倫理審査委員会での承認を受けた。
【結果】
1.対象者
 男性1名、女性12名
2.アンケート結果
 1)不安一心配という思いはあるか
  はい53%、いいえ38%、未回答8%
 2)安心した・落ち着いたという思いはあるか
  はい92%、いいえ8%
 3)期待している思いはあるか
  はい92%、未回答8%
【考察】
 緩和ケア病棟に入院した半数近い患者の家族が「不安がある」と回答した。患者の家族は、入院後の経過の不安や、変化する患者の傍らで死を感じつつ生じるつらさがあると考える。一方で、多くの患者の家族は、「穏やかに過ごして欲しい」という思いを抱いている。
【結論】
 緩和ケア病棟に入院する患者の家族の心情が明らかになり、家族は不安と希望という相反する思いを持っていた。家族の揺れる思いを尊重した上で充分に話を聴き、受け止めていくことが今後の課題である。


プログラムへ戻る