示説 5
手術室看護師による家族へのスピリチュアルケア
〜手術を待つ家族の不安軽減に向けて〜

○梅潭雄一、丸山公子
群馬県立がんセンター手術室


 がん患者と家族は、がんと診断された時から少なからず死を意識し、スピリチュアルペインを抱く。さらに、手術を受ける場合は手術に関する不安も抱えることになる。がんセンターの手術室看護師は、手術を受ける患者と家族に術前訪問で術前・術中・術後の経過を説明し、がんの手術に関する不安の軽減というスピリチュアルケアを行っている。しかし、家族が術前訪問の場に居ない場合は、家族は手術室での状況がわからず、さらに多くの不安を抱くことが考えられる。
 そこで、術前訪問を受けられなかった家族に向けたパンフレットを作成し、家族の不安の軽減を試みた。作成にあたり、どのような情報が家族の不安軽減につながるかを把握するため、全身麻酔を受ける家族19組を対象に知りたい情報について調査を行った。その結果、手術全体の流れをイメージできる詳細な情報を知りたいことが明らかになった。
 調査を基に手術全体の流れのイメージにつながるパンフレットを作成し、使用を開始している。これにより、がん患者だけでなく家族の不安に対しても手術室看護師が積極的に関わるようになった。手術室という環境では、スピリチュアルケアを行う時間に限りがあるが、がんセンターの手術室看護師として、今後もスピリチュアルケアを意識した手術看護を提供していきたい。


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