緩和ケア病棟におけるデスカンファレンス
5年間の実施状況とその効果


○須永知香子 久しのぶ 高橋ひろみ 林貴子
野口亜希子 石井美希 中谷玲子 押本直子
伊勢崎市民病院 緩和ケア病棟

伊勢崎市民病院の緩和ケア病棟は、平成21年度に開棟し5年が経過した。病院内外からの紹介数や利用者数は増加し、病棟利用率も高くなっている。その中で、年間約120名のがん患者が永眠されている。
緩和ケア病棟では、開棟時より亡くなった患者のケアを振り返り、今後の看護実践の中で活かせるケアを見いだす事、関わったスタッフへの労いと心のケアを目的としたデスカンファレンス(以下DCとする)を開催している。
DCは月1回を目標に、これまでに49件実施した。DCには、主治医、病棟スタッフ、緩和ケアチームの医師、緩和ケア認定看護師、臨床心理士が出席しカンファレンスを行っている。今回、看護師からDCを通して学びを家族ケアに活かす事ができたという言葉が聞かれた。そこで、これまでのDCに参加した看護師を対象にDCが日頃の看護ケアにどう活かされているのかをアンケート調査した。その結果、「家族間の病状認識が統一できるような支援や確認」、「病状説明のタイミングやフォローを意識」、「鎮静やスピリチュアルペインへの介入や支援」などの意見が聞かれた。このことから、スタッフはDCの学びを意識し看護に取り組んでいる事、対応に悩んだ際は同じようなケースを参考にしており、実践に活かしている事がわかった。更にDCが各々のストレス軽減にも繋がっている事がわかった。今後もDCの質を高め、より良い看護実践へと繋げていきたい。

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