がんサロンにおけるピアサポーター活用の効果


○角田明美 冨田千恵子 大川友子
群馬大学医学部附属病院

 群馬県がんピアサポーター派遣事業が平成25年9月より開始となった。この事業は、がん患者・家族等に対して、がんを体験した人やその家族を「ピア(仲間)サポーター」として派遣し、傾聴を主とする共感的支援を提供することで、がん患者・家族等の抱える不安や辛さを和らげ、療養生活の質が向上することを目的としている。群馬大学医学部附属病院(以下、当院)では、平成25年9月よりがん患者・家族のためのサロンである「なごみサロン」での受け入れを開始した。主な役割はサロンでの司会・進行やファシリテーターであり、がんピアサポーターとサロン担当者で試行錯誤しながら共に成長していくことを意図し、安心して役割を担えるように開始前の打ち合わせと終了後の反省会を兼ねた振り返りを行い、活動をサポートしている。
当院ではこれまで計6回の受け入れを行ってきたが、がんピアサポーター自身が新たに役割意識を持つことで、傾聴や共感を行いながら他者に助言するという役割を、自信を持って全うしており、改めてがん患者・家族の力を見いだす場となっている。がんピアサポーターを活用することで、がん体験者の話が聞きたい、気持ちを分かち合いたいという参加者のニーズにも十分応える形となっており、サロンに一体感が生まれ、成熟に繋がっているのでその効果をここに報告する。

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