『がん看護の発展を目指して 看護師がイキイキと働くために』




小迫 冨美恵
横浜市立市民病院 がん看護専門看護師

がん対策推進基本計画の見直しに伴い、臨床に期待される機能は拡充を続けている。
病院の変革の中で、新しい役割を担う看護師も増えている。しかし、限られた人的資源での取り組みに苦労し、疲弊を生んでいる現実もある。実際にチーム医療を推進するには、患者さん、ご家族のケアを担う看護師の力は欠かせないはずである。
そこで今回は、がん看護専門看護師の役割を通して、看護師がイキイキと働くことの可能性をお伝えしたい。
専門看護師には、実践、相談、教育、調整、倫理調整、研究という6つの役割が求められている。たとえば、看護師の相談役として、一般病院の中で病棟や外来の最前線にいる看護師と共に、日々の患者さん・ご家族のケアを考えて協働していく。そこには、看護師との間でのパートナーシップが重要である。
また、毎年「看護実践研究」では、看護師が日々の実践の中での疑問や課題を見つけて、1年間研究的取組をしながら、新しいケア方法や考えをまとめるためのサポートを行っている。専門看護師と研究メンバーが、この取組の過程で共に成長する体験をし、明日の看護実践への力を得ることを実感する事例もある。
がん看護の発展には、看護師のみでなく、患者さん・ご家族との協働が必要である。 患者さん・ご家族とのパートナーシップを大切にしたケアを担う看護師を育てるには、 まず、医療者の間でもパートナーシップが実現できているか、が問われるのだと思う。


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