頸部瘢痕拘縮により形成手術を受ける患者の思い
〜ボディイメージに不安を抱える患者への支援〜


〇小山真里亜 木村香 松本則子
群馬県立がんセンター

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【目的】
甲状腺癌の摘出術時に気管支皮膚瘻を造設し、その後気管支皮膚瘻閉鎖術を受けたA氏がいた。A氏は頸部胸部の瘢痕創に「こんなになるなら手術を受けなかった」と話され、瘢痕拘縮を縮小する手術をさらに受けた。今回、ボディイメージに不安を抱える患者の思いを明らかにすることと瘢痕拘縮に対して美容的な手術を受けることの看護支援を検討する。
【方法】
初回手術からこれまでの看護記録・診療記録からボディイメージに関する情報を遡及的に収集した。記録の裏付けを取るために3回目の手術の際にインタビューから逐語録を作成した。これらの情報を、ボディイメージに対してプラスになる要因とマイナスになる要因に分類し検討した。
【倫理的配慮】
研究の目的とプライバシーの保護などを文書で説明し同意を得た。
【結果・考察】
瘢痕縮小の手術前は周囲の目を気にするマイナス要因が多く、好きな服装ができず温泉に行けない悩みがあった。術後は安堵する発言や笑顔が増えるなどプラス要因が見られボディイメージが回復した。
【結論】
  1. 人目に触れやすい瘢痕がある精神的苦痛がありながらも、生活に折り合いを付けようとしていた。
  2. 同様の事例が少ないからこそ、その人に合った工夫を一緒に見つけていける支援体制と情報提供が必要である。

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