当院におけるがん患者の口腔機能管理の現状と課題


〇西場里香 荒牧恵子 青山真由美 室井裕美 松本静香
桐生厚生総合病院 看護部


【はじめに】
抗がん剤治療や放射線治療などにより粘膜炎が発症する。なかでも抗がん剤の使用では約40%の患者に粘膜炎が出現するとされている。そのため口腔ケアの重要性はクローズアップされている。当院では25年4月に口腔ケア会を立ち上げた。そこで当院の口腔機能管理の現状と課題について報告する。
【当院における口腔機能管理の現状】
平成24年より、がんを治療する病院と地域との歯科医師が連携し、がん患者の歯科治療や口腔内の管理をおこなう取り組み(周術期口腔機能管理として)が医療保険制度に導入されている。当院ではオーラルマネジメントをおこない、口腔環境を整備し、疾病の治癒及び合併症の予防に役立て患者のQOLの向上につなげる事を目的として、口腔ケアチェックシートを導入し、小児科を除くすべての入院患者に対するスクリーニングを開始している。口腔ケアチェックシートを用いて点数評価しプロトコールに沿って歯科への専門的口腔ケアの介入依頼をおこなっている。患者が安心して手術、化学療法、放射線治療を受ける事ができるようにサポートしている。
【今後の課題】
外来受診時から口腔ケアの重要性を患者に啓発活動し介入すること、看護師の口腔ケア実践力の向上、スムーズに医療スタッフ間で共有できるツールづくり、医療連携室も巻き込んだ医科歯科連携の強化が必要だと考える。

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