重症皮膚障害をきたした患者のセルフケア支援
−セルフケア理論を用いて−


〇角田美登里 楯麻耶 斉藤由美 田村喜美子 今井洋子 六本木京子
前橋赤十字病院 外来化学療法室


大腸がん治療薬EGFR阻害薬の大きな副作用として皮膚障害がある。この皮膚障害と治療効果は相関関係にあるため、患者だけでなく医療者も、皮膚障害があっても仕方ないものと先入観をもってしまう傾向にある。しかし、皮膚障害はボディイメージの変容により社会的苦痛、心理的苦痛をもたらし、闘病意欲をも低下させてしまう危険性がある。 また、近年、化学療法の場は外来へと移行し、患者は自身でセルフケアを行ないながら治療をしていかなければならないため、看護師は患者のセルフケア能力を高め支援をする必要性がある。
今回、再発大腸がん化学療法により、重度の皮膚障害をきたした患者と関わる機会を得た。患者は、副作用による爪囲炎のため、皮膚障害に対するセルフケアが困難な状況にあること、保清に対する意識が薄いことで悪循環をきたしていた。セルフケア理論を用いて患者・家族に介入を行なった結果、皮膚障害は軽減し、患者のセルフケア能力を高めることができたため報告する。

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