経口分子標的薬のマネジメント、化学療法連携チームでの取り組み


〇伊藤里美1) 齊藤安代1) 川田久実2) 神谷輝彦2)
八巻英3) 野内達人3) 野村けさよ1)
邑楽館林医療事務組合 館林厚生病院
1) 看護部 2) 薬剤部 3) 呼吸器外科


【はじめに】
経口分子標的薬(EGFR-TKI)は高い効果が期待できる一方で、皮膚障害が頻発しており、そのマネジメントが治療の継続において重要となっている。化学療法導入患者に対して継続看護を目的に、化学療法連携チームを結成し有害事象をマネジメントする体制を試みた。
【方法】
病棟・外来・化学療法室の看護師と、薬剤師、栄養士でチームを結成し、会議や勉強会、患者・家族と一緒にベットサイドでカンファレンスを開催している。退院後もチームで外来を訪問し、服薬や有害事象の評価、セルフケア支援や精神的ケアを行い、実践内容は電子カルテに記載し情報を共有している。
【事例】
80歳代女性、肺がん術後再発、4次治療としてエルロチニブ導入。以前ゲフィチニブで、重篤な副作用が出現し治療中止となった経験があり、「もう、この世の終わり。人として生きている意味がない。」という言葉が聞かれた。チーム内の各職種が専門性を発揮し、入院中から外来まで継続して支援していくことを伝え、不安の軽減を図った。その結果、有害事象は重篤化せず、患者・家族は安心して治療を継続することができた。
【まとめ】
多職種チームで介入する事で、お互いの顔が見え、気持ちを理解できる関係となり、患者・家族が抱える希望や不安などに対して、様々な支援が可能となることがわかった。今後も患者・家族の日々の生活に寄り添った支援ができるように、多職種で協働しマネジメントしていきたい。

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