特別講演U


『私のがん克服体験
〜ステージWの末期でもあきらめない患者のために〜』


篠崎 一朗

 今から18年前、スキルス性進行胃がんのステージWb、余命10か月の告知を受け、一旦は絶望の淵をさまよいました。
私は、当時の先進医療であった術前化学療法と、今は殆どやっていないリンパ節拡大郭清D4手術を受け、がんを取り除くのと同時に、帯津三敬病院の帯津先生にも診察していただき、代替医療と自分で出来る気功や食事の改善にも精一杯取り組みました。今で言う統合医療の恩恵を最大限に受け、5年生存はおろか18年も生きながらえることが出来ました。当時も今も、進行固形がんには「患者よ、がんと闘うな」に言われているように、抗がん剤では治らないとの認識でした。そのため、自然治癒力を最大限に活かす方策を、あれやこれやと帯津先生と戦略を練りながら取り組んだものでした。
当時より、医学の進歩は目覚ましく、治っていくがん患者さんも増えているようですが、進行がんや再発がんの患者さんは、多少の延命はできても、死亡率は下がっていないというのが現状でしょうか。そこで、3大療法を拒否し、ただやみくもに代替療法に手を出し、効果もなく、亡くなっていく方もいるのではないでしょうか。
これは、医療側に不信となる原因がある場合もあり、患者側の無知を一概に非難することはできないと思われます。このような不安を、患者の思いを一番に理解し、医師側に伝えて下さる看護師さん方の努力によって、軽減されることは多々あるかと思います。今回は、そんな末期がんでもあきらめなかった患者の思いをお話しさせていただきます。

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